側弯症とは
背骨が左右に弯曲して、姿勢をまっすぐにしても背骨がまっすぐにならない状態のことです。学校の運動器検診で指摘されるものは思春期特発性側弯症(AIS)と言い10代細身の女性に多く発生します。
当院での症例
当院で治療させていただいた12歳女性のレントゲン画像です。左が初診時、右が3か月後です。胸椎のカーブが著明に減少しています(コブ角33°→18°)この患者様はカーブ進行の可能性が非常に高かったため、装具療法が必要でありゲンシンゲンブレースを出来るだけ長時間装着され、毎日15分以上運動療法に取り組まれました。ご両親の熱意とご本人の頑張りで短期間に非常に良い変化を得ることができました。
側弯のできる原因
背骨の構造
人間の脊柱には前後に3つの弯曲があります。頸椎は前に凸のカーブ(前弯)、胸椎は後ろに凸のカーブ(後弯)、腰椎は前に凸のカーブ(前弯)。
脊柱はこの3つの前後方向の弯曲があることで体をしっかりと支えることができます。上半身の体重がかかる腰椎は体のほぼ真ん中にあることでより筋力を使わずに姿勢を保つことができます。
赤ちゃんが生まれた時カーブは2つ10歳ごろ腰椎の前弯が確立します
脊柱の前後の弯曲は赤ちゃんが生まれた時には2つしかありません。頸椎の前弯と胸腰椎の後弯です。1歳ごろ腰椎は真っすぐになります。3歳ごろ軽度の前弯が形成されます。その後8歳で前弯が明確となり10歳で確立します。
腰椎の前弯が不安定だと脊柱の軸圧強度が半分に
腰椎の前弯がしっかりと形成されないと脊柱の軸圧に対する強度が低いため(弯曲が2つで抵抗力が3つの場合の2分の1)頭や上体の重さがより強く背骨にかかります。
脊柱の強度を高めるために側方に弯曲を形成
そのため脊柱の軸圧への強度を高めるために、前後方向ではなく、左右方向に弯曲を形成してしまいます。これが側弯の形成される原因のひとつです。細身の女性に側弯が多いことは、腰部の前弯を形成し、脊柱を支える筋力が男性にくらべて弱いことが原因になっている考えられます。
腰椎の前弯をしっかりと再形成することで、脊柱の軸圧強度が高まり、不必要となった側弯が解消されてゆきます。
その際には働いていない脊柱の多裂筋をよく働くように(促通、賦活)し強化してゆきます。赤ちゃんが仰向けで寝ているところから立って歩くまでに、うまく賦活、強化できなかった脊柱周りの筋肉を再度賦活、強化することで、脊柱の3つの弯曲を再形成し側弯を改善させます。
側弯症に特化した運動療法を行っています(シュロスベストプラクティス)
シュロスベストプラクティスでは1.腰椎の前弯を回復すること(脊柱の前後方向の弯曲の再形成)2.骨盤の側方変位の矯正3.胸椎、腰椎の側方の弯曲を反対にする体の動きを賦活、促通、習慣化させること4.呼吸法により肋骨と椎体の回旋を矯正することを行います。
ご自分のお背中を見ながら運動をしていただきますので、どう体を動かすと側弯を減少させることができるのかよくわかっていただけます。女性ですとおおよそ18歳で骨の成長が止まります。その時にコブ角25°以下ですとそれ以降側弯がひどくなってゆく可能性は非常に少ないとされています。骨の成長が止まるまでにできるだけコブ角を減少させることが重要で、18歳前後にコブ角25°以下が一つの治療のゴールとなります。
シュロス法のセラピストとして認定を受けています
こじま整骨院は日本で唯一ゲンシンゲンブレースを作成しておられる麹町白石接骨院と提携し側弯症の治療にあたらせていただいています。当院の院長は滋賀県で唯一シュロスベストプラクティスのセラピストとして認定を受けています。 院長はNSCA-CPT(認定パーソナルトレーナー)の資格も取得しており、腰椎の前弯を形成する多裂筋などのトレーニングもお一人お一人にあったメニューを提供いたします。
進行の可能性が非常に高い患者様でご希望される方にはゲンシンゲンブレースの作成のため麹町白石接骨院をご紹介させていただくこともできます。
左は初診時、右はゲンシンゲンブレース着用時の脊柱のレントゲン画像です。骨盤の位置が逆方向に矯正され、胸椎のカーブが非常に小さくなっていることがわかります。また腰椎の前弯も維持するように設計されています。
信頼できる整形外科もご紹介できます。どこにいけばよいのか分からない時はまずご相談ください。